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水泳部 内田選手×横山コーチインタビュー「夢は日本代表。オリンピック出場を目指して」
水泳部
内田かりん・横山コーチ
日本学生選手権(通称:インカレ)において、令和初となる女子総合優勝3連覇に挑んだ水泳部。インカレ直前、チームをコロナクラスターが襲ったこともあり、惜しくも連覇は逃した。「チームで日本一になりたい」という思いを胸に挑んだ4年生最後の大会において、200mバタフライで優勝を飾り、その才能が覚醒したように感じられる内田かりん選手と、彼女を支えた横山コーチにインタビューを行った。
——「第98回日本学生選手権水泳競技大会」(以下、インカレ)から1ヶ月過ぎました。 女子チームは総合優勝3連覇を掛けて臨んだ大会だったと思います。
内田 3連覇という目標に対して、1年間皆で頑張って日本一を目指しました。
4月以降、昼休みなどに毎週ミーティングをしたりして、雰囲気はとても良かったと思います。
私はインカレが一番好きな大会です。自分の活躍がチームの結果に直結するし、モチベーションが上がります。
それからいつもベストが出るのがインカレなので、4年生で最後の年だし、一番良い結果を出したいと思って臨みました。
——「インカレ直前にチームをコロナが襲い、コーチご自身も感染されたそうですが、選手の皆さんとはどのようなコミュニケーションを取っていたのでしょうか。
横山 練習できる選手たちに対しては、個別に連絡をして状況や体調を聞いたり、練習メニューを確認したりしました。
一方でコロナに感染した選手たちには、狭い空間でも最大限できることをトレーナーと相談して、Zoomを使ったトレーニングを考えたりしていました。
——「直前のアクシデントということで、正直焦りはありませんでしたか?
横山 シード落ちするかもしれないと思いました。総合優勝3連覇というプレッシャーもあり、選手たちには酷だなと思いましたが、逆に原点に立ち返って挑戦することの大事さを改めて感じることができたことは大きかったです。
——「インカレにはどのような気持ち臨みましたか?」
内田 エントリーランキングは100mも200mも4番目で、最低でもそれより順番を落とさないように。でも本心は少しでも上を目指して、皆の分までポイントを取らなきゃいけないと思いました。
8月初旬にあった関東インカレから泳ぎ方を変えて、スタートから攻めるスタイルにしました。関東インカレでは上手くいきましたが、インカレの予選では後半めちゃくちゃしんどくて、こんなにきつくてこのタイム?と決勝前はとても不安だったんですけど、予選できつい思いをすれば、決勝はもつからとコーチからアドバイスをもらって泳ぎました。決勝は予選ほど攻めずにいこうと話をして、自分のレースはできたと思います。
——「その結果、200mバタフライで見事優勝。世界選手権代表選手を抑えての完勝でした」
内田 あまり横のコースの選手を見ないのですが、隣が2分6秒台の記録を持っている林希菜選手(同志社大学)で、自分の前にはいないのは分かりました。
希菜ちゃんが1番で、良くて2番かなと思っていたので、めっちゃびっくりしました。負けてもしょうがないと思っていたのでラッキーでした。
――「内田選手の活躍、結果についていかがですか」
横山 インカレでは安心してレースに送り出してあげられました。じゃあな行って来いよ!という感じでした。
ただ珍しく、「わたし、大丈夫ですよね?」と3回も聞いてきたので、「今までやってきた努力のレースをやってみよう。最初は余裕をもって、折り返してからが勝負だぞ」と話をしました。150mでトップだとチャンスはあるだろうと考えていました。
――「インカレ後、内田選手は競技を引退する予定だったと伺いました」
横山 引退して就職活動をすると聞いていましたが、先日、内田が「パリを目指したい」と言ってきました。普段はそんなことを言ってくるタイプではありません。基本的には今を一生懸命はやるけど、その先こうしようああしようというのはあまり聞いたことはなかったので、自分からパリオリンピックを目指してみたいと言ってきた時には少し驚きました。あと2年あるのでチャンスはあると思います。今国内で4番目。バタフライは強者ぞろいです。今から1番でオリンピックを目指すのはプレッシャーだと思うので、4番ぐらいがちょうど良くて、気持ちに余裕がある方が良いと僕は思っています。
――「内田選手の夢を教えてください」
内田 本当の意味での日本代表です。日本代表として、試合に出てみたいです!
昨年12月に開催された世界短水路選手権の日本代表に初めて選ばれたのに、コロナの影響で日本は選手を派遣しないと決まり、今年3月開催のワールドユニバーシティゲームズ(旧ユニバーシアード)日本代表にも選ばれたのにそれも無くなっちゃって。日本代表に2回選ばれたのに、ジャパンのグッズとか何ももらえず出られず。一度はいいやと思ったんですけど、今年の世界水泳をテレビで見ていたら、本当にかっこよくて。今年12月に世界短水路選手権が開催されるので、代表に選ばれるように頑張りたいと思います。
横山 世界水泳を現地で観戦したんですけど、こういう舞台で、こういう雰囲気でやらせたいなと思いましたね。
彼女が入場してくるみたいなイメージもできました。日本代表になった姿を見てみたいし、なれたらいいなと思います。
かりんが日本代表になるなんて誰も思ってないからこそ、今はかりんらしく水泳を楽しんでくれたらと思います。
【略歴】
内田 かりん (うちだ かりん)
神奈川大学法学部自治行政学科4年
駿台甲府高等学校出身
種目 バタフライ
2021年 第15回世界選手権(25m) 日本代表
2022年 FISU ワールドユニバーシティーゲームズ 日本代表
第98回日本学生選手権水泳競技大会 200mバタフライ優勝
【略歴】
横山 貴 (よこやま たかし)
2009年より神奈川大学水泳部コーチ
2022年ワールドユニバーシティゲームズ(成都)代表ヘッドコーチ就任
公益財団法人日本オリンピック委員会 強化スタッフ
公益財団法人日本水泳連盟 競泳委員会 副委員長
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※内容はすべて取材当時のものです。