卒業生
たくさんの人が心血を注いでいる薬の製造。いつの日か「がん」の治療薬の製造に関わり世界中の患者さんに届けたい。
黒瀨 香緖里
理学部 化学科* 2017年卒業 /理学研究科理学専攻化学領域 2019年修了
中外製薬工業株式会社 藤枝工場製造2グループ
卒業生の言葉
身近に薬剤師がいたこともあって薬の製造に興味を持つようになり、「がん」の治療薬に関わりたいと思い、がん領域で強みのある中外製薬工業に入社しました。今は、治験前の新薬の研究開発における薬の有効成分を製造する部署で、研究部からあがってきたテーマに基づき、原薬を大量生産できるように「スケールアップ」という仕事をしています。一錠の薬の中の有効成分は何mgとごくわずかですが、その大元となる原材料を試作するのですから、数kgから数百kg単位でさまざまな薬剤を扱っています。ドラム缶をリフトであげるイメージ、かなりの力仕事です。人の体に入るものを取り扱うので、徹底した品質管理をしています。たとえば、異物混入につながるパウダリーなメイクはできません。私がこれまで手がけた原薬は、他の部署で何段階目かのフェーズに進んでいるようです。それほど一つの薬が完成するのには多くの人が関わり長い年月がかかります。実験が好きだったこともあり大学では化学の道に進んだものの、今こうして薬を作る仕事に就けていることは何かの縁。「がん」の治療薬の製造に関わるという夢はきっと叶うと信じています。
※内容はすべて取材当時のものです。