ナノは10億分の1m、原子・分子ぐらいの大きさ。その世界を毎日のぞいています。
市川 茜
工学部総合工学プログラム4年(電気電子情報工学科ヘ分属)
神奈川県 横浜桜陽高等学校出身
GRADUATION RESEARCH
卒業研究
私の研究はカーボンナノチューブ内の水の流れについて。これを調べる背景には、SDGsの目標6にも掲げられている水不足があります。水は、普段の生活や工業、農業などあらゆる場面で必要不可欠ですが、地球上に存在する水のうち97.5%以上が海水といわれています。そこで注目されているのが、カーボンナノチューブを利用した淡水化技術。カーボンナノチューブとは、炭素原子でできたグラフェンというシートを丸めた、直径がとても小さい筒状の物質です。この筒は、高速で水を透過させるといわれていて、海水をろ過する膜の材料として期待されています。私の研究では、カーボンナノチューブの直径をさまざまに変えて水の流れの変化を調べています。一度コンピュータに計算をかけると結果が出るまでかなり時間がかかるため、時間差でたくさんの計算を並行させています。研究を始めた頃、計算結果はグラフ上のいくつかの点にすぎませんでしたが、毎日それを積み重ねていくと曲線へとつながり、それが私の足跡に思えてきます。私一人で答えが出せる研究ではないけれど、未来の地球のために今日も一歩一歩、前進あるのみ!です。
※現在は工学部応用物理学科の研究室になります。
※内容はすべて取材当時のものです。