卒業生
小林 弘嗣
大学二年次の夏、留学先のカナダで衝撃を受けた。なぜなら、こんなにも同世代の学生が必死に勉強している一方で、自分は胸を張って努力をした!と言える経験がなかったからだ。そのため、自分自身に失望し焦り、将来が不安になった。自分の生き方・考え方を根本的に変えたいと真剣に思い始めた。
(2005年卒業)
INDEX
01学生~社会人のいま
「欧米の大学生は、授業に遅刻した際、教室に入らずドアに耳を当てて、教授の言葉を全て書き取るらしい。なぜなら、教授や他の生徒の邪魔になるから」─
大学二年次の夏、留学先のカナダでこの話を聞いた時、衝撃を受けた。なぜなら、こんなにも同世代の学生が必死に勉強している一方で、自分は胸を張って努力をした!と言える経験がなかったからだ。そのため、自分自身に失望し焦り、将来が不安になった。自分の生き方・考え方を根本的に変えたいと真剣に思い始めた。
短期留学を終えた私は、三~四年次のゼミは“厳しいけど成長できる”と噂の榊原ゼミに入るしかないと思った。が、教授からは予想外のキツ~イ一言が返ってきた。
「お前はついていけないから、うちのゼミには入れない」
教授からは何度も門前払いを喰らった。が、私は決して諦めずに毎日研究室に通った。結果、しつこさに呆れられ、何とか榊原ゼミに入ることを許可してもらえた。
ゼミの内容は、自分で決めたテーマについて英語でプレゼンテーションをし、その後ディベートを行うというものだった。この“訓練”を通じて、相手に自分の考えを伝えることの大切さや、建設的に議論を前に進める難しさを学ぶことができた。同時に、学ぶ意識の高いゼミ生からは、毎回自分の無力さを思い知らされた。
大袈裟な言い方をすると、榊原ゼミへ入ったことが人生のターニングポイントとなった。大学に通いながらダブルスクールで専門学校へ行き専門的な知識を学び、複数の資格を独学で取得するなど精力的に色々なことを学んだ。
大学卒業間近に「できるだけ多くの人と会い、多くのことを学ぶこと」を人生のテーマに決め、卒業後は渡英することにした。英国の大学院ではマーケティングを専攻、学部には世界中から優秀な学生が約200名集まり日本人は自分一人だけというタフな環境だった。
実際には、たまに授業に遅刻する人はいたけれど、同じ時間と労力とお金を費やしているならば、という理由で教室は常に一番前の席から埋まっていく。海外の学生は本当に高い意識の中勉強に取り組んでおり、多くの刺激を享受することができた。
修士号取得後帰国し、現在は外資系総合広告代理店でコミュニケーション・プランナーとして従事している。
02学生の皆さんにお伝えしたいこと
学生の皆さんよりも数年先輩の私がアドバイスできることは一つだけです。できるだけ多くの人に会ってください。多くの人に出会うことで、自分が無知で無能な存在であることを自覚してください。
世界はますますグローバル化し、社会に出れば世界中のたくさんの優秀な人たちと競争していかなければいけません。そんな状況下で「いまの自分」で良いはずがありません。
多くの優秀な人たちに会い、多くの刺激を享受してください。あなたが願う理想の人生が過ごせるように―。
あなたと、世界のどこかでお会いできる日を楽しみにしています!
※内容はすべて取材当時のものです。