卒業生
嶋村 健
私が税理士を目指したのは大学1年生の時です。「20代で資格取得、30代で独立開業」を目標に定め、現在は、東京都中央区で税理士事務所を経営しています。こうして文字にすると、一見順調な人生と思われるかもしれませんが、日々困難との闘いです。
嶋村健税理士事務所代表
(経営学研究科2010年修了)
INDEX
01私は現在、東京都中央区で税理士事務所を経営しています。
29歳の時に税理士資格を取得し、31歳で独立開業、そして令和改元と同時に、33歳で神奈川県から都内に事務所を移転しました。
こうして文字にすると、一見順調な人生と思われるかもしれませんが、実際は常に困難との闘いで、それは今も変わりません。
02私が税理士を目指したのは大学1年生の時です。
税法や会計学が好きだった事に加え、当時の教授の勧めもあり「20代で資格取得、30代で独立開業」を目標に定め、そこからは勉強漬けの日々でした。
周りの学生がサークルやコンパなど青春を謳歌している中、私は朝から晩まで机に向かう毎日。 例年8月が税理士試験なのですが、勉強中に遠くから花火の音が聞こえてきた時などは、もう辛くて辛くて...
ストレスとプレッシャーから、試験前は食欲がなくなり体調を崩す事もしばしばでした。
大学院を修了してからも、地元の税理士事務所で働きながら勉強を続け、記念受験になってしまった年などもありましたが、やっとの思いで税理士資格を取得したのは29歳の時でした。 しかし、税理士になれたからといって、それで終わりではありません。
03次なる目標は独立開業

私の場合、親や親戚が税理士だったわけではなく、また勤め先の税理士事務所からの暖簾分けもなかったため、開業資金の準備や顧客獲得など、全てがゼロからのスタートでした。
開業前の勤務税理士の頃は、定時まで事務所で働き、夜は都内の専門学校で講師の仕事。 二足のわらじ生活に、体はボロボロでしたが、絶対に独立するんだという強い一念で、どうにか乗り越えられたと思います。
とある研究によると、税理士という職業はAIの台頭によって将来的には無くなる仕事だと言われることもあります。 確かに、記帳代行などの単純な事務作業はAIの方が早く正確にこなせますし、AIを待たずとも、すでに海外の安い労働力に移行しています。
しかし、税理士はそんな単純な仕事ではありません。 中小企業の経営者は常に悩みを抱えています。 事業の先行きから資金繰り、はたまた従業員とのトラブルまで。 そんな孤独な経営者に寄り沿い、一番の相談相手になれるのが税理士なのです。顧問税理士として、経営者と一緒に会社を盛り上げていくことは、一筋縄ではいかない大変な仕事ですが非常にやりがいを感じます。税理士って楽しい仕事だと心から感じますよ!楽しいからこそ極めたいと思うわけです。これについてはAIに負けることは絶対にありません。
また、日本は複雑な税制を持つ国です。 専門的知識を要する税理士の必要性はさらに高まると、私は考えています。 言い換えれば、専門的スキルのない人間は、残念ながら淘汰されていく時代が、すぐそこまで迫っているのかもしれません。
私は税理士になるという夢を叶えましたが、更なる成長のために、より競争の激しい都内へ事務所を移転しました。 挑戦をやめてしまったら、残るのは衰退だけです。
04学生の皆さん、若さは最大の武器です。
今のうちに、広い視野と柔軟な思考を身に付け、出来るだけ多くの人と話して下さい。 ビジネスが人との繋がりで成り立っている以上、いかに相手の懐に入りこめるかが勝負です。 そして、自らの手で未来を創り上げて欲しいと思います。
※内容はすべて取材当時のものです。