卒業生
グエン・ハー
ベトナムのハノイで家族が靴下メーカーを経営していて、日本企業との取引があることから、語学や経営を学びたく日本に留学することを決めました。勉強も、サークル活動も、スペインへのさらなる留学も、大学生活を楽しむ秘訣は、積極的になること。
PHU VINH HUNG TEXTILE JOINT STOCK COMPANY
(2019年卒業)
INDEX
01初めての海外留学。大学生活を楽しむ秘訣は、積極的になること。
ベトナムのハノイで家族が靴下メーカーを経営していて、日本企業との取引があることから、語学や経営を学びたく日本に留学することを決めました。来日にあたっては、まず川崎市にある日本語学校に通い、同じ県内の大学の中から進学先を調べ、カリキュラムや制度に魅力を感じ神奈川大学への入学を決めました。
大学時代は行動的な学生でした。授業はたくさん取りたいと考えていて、特に外国語は、英語とスペイン語、日本語を選択しました。授業の中で面白かったのは「ケーススタディ」です。各々が自分の国の有名な企業を紹介しあうもので、各国の会社の仕組みや方法を勉強することができました。ゼミは行本先生のゼミに所属していて、グループワークが楽しかったです。専門用語を難しく感じることもありましたが、分からないところは授業の後に先輩や先生に聞いて、内容を理解していきました。

神奈川大学にはチューター制度があり、チューターにも登録しました。来日した留学生たちが日本の生活に馴染めるように、交換留学生や後輩の留学生たちへのサポートを行いました。
サークル活動では、BBSというボランティア部に所属しました。大学の中だけで勉強していても日本人の普段の生活は分からないので、ボランティアを通して日本の日常を知れたことや、いろんな人に出会えたことが良い思い出です。特に子どもたちは、外国人が私しかいなかったので気になる存在だったのか、私を見ると「ハーちゃん!」と駆け寄ってきてくれたのが嬉しかったですね。
ほかにも大学のイベントや行事には積極的に参加していたので、友達に「ハーちゃんはどこにでもいるね?」と言われるほど、学内外のあちこちで活動していました(笑)。
02ベトナムから日本へ、日本からスペインへ。将来を見据えてチャレンジしたヨーロッパ留学。

大学3年の頃、スペインのサラマンカ大学に1年間留学しました。何でも体験したいタイプなので、いろんな国に行きたいと思ったのが最初のきっかけでしたが、実家の靴下メーカーには輸出力の強化という課題もありました。当時は日本、韓国、キューバ、ロシアなどが取引先でしたが、ヨーロッパへの進出も考えていたので、現地に実際に訪問し、その国の文化や人、経営を勉強したいと思うようになったのが留学に挑戦した理由です。
留学先では英語を使ったコミュニケーションが取れる…という話でしたが、実際に訪れてみると全然英語が通じなかったのです!急いで1ヶ月間、スペイン語を勉強して、大学の授業に備えました。最初はスペイン語が全然話せなくて、ホストファミリーに話し相手になってもらったり、日本からの留学生と分からないところを教えあいながら一緒に勉強しました。大変な経験でしたが、その時仲良くなった日本人やスペイン人の友達とは今でも交流が続いています。
03新たな業種への転職が決定、さらには起業家として自身のブランドをスタートアップ。

卒業後はすぐにベトナムに帰国しました。私たちの会社は、ハノイに靴下の工場を持っています。2004年に設立された工場で18年の経験があり、高い技術を持ったスタッフが多く、クオリティの良さとデザイン力があることが強みです。私は主に、日本企業の対応窓口を担当していて、語学はもちろん、大学時代に学んだ日本企業との取引の仕方や契約書の作成などは、そのまま仕事に役立ちました。また、新規のお客様を獲得するため、経営者や事業者の集まる展示会などにも参加し、商談を行っています。
靴下メーカーの経営が安定してきたこともあり、実は近々、転職を考えています。次の仕事はレンタル工場や貸し倉庫などを扱う会社で、日本企業がベトナムに進出する際のサポートを担う予定です。さらに私個人としても、おむつを販売する会社を立ち上げました。ベトナムは子どもが多い国ですが、日本やアメリカのおむつを輸入すると値段が高くなります。同じクオリティを保ちながら、もっと安く提供したいと考えていて、中国で生産したものをまずはベトナムで販売し、その後、東南アジアに販路を拡大するのが目標。先日、ようやくおむつのデザインが完成し、これから生産が始まります。忙しい毎日ですが、「自分にできることをやってみたい」という気持ちの方が強いです。
04神奈川大学経営学部の留学生、そして留学を希望している皆さんへ。

留学生の皆さんには、せっかく日本に留学したのですから、同じ国の人とばかりいないで、日本人や他の国の人と積極的に関わってほしいと思います。大学に入学する前は、自分が将来どんなことをしたいのか分からないかも知れません。でも、大学に入ってさまざまなことに挑戦して、経験して、いろんな人と関わることで、自分の夢や目標がはっきりしてくるはず。友達、先生、先輩など周りの人を大切に、大学生活を楽しんでください。
※内容はすべて取材当時のものです。